用語の意味
サディズムとマゾヒズムを基盤とした支配・被支配の快感を探るプレイスタイル。
用語の解説
「SM」とは、サディズム(S)とマゾヒズム(M)を語源とする性的嗜好およびプレイスタイルであり、「支配する者」と「服従する者」という非対称な関係の中で、肉体的・精神的な快楽を追求する行為である。
起源は19世紀ヨーロッパに遡り、文学作品(サド侯爵やマゾッホ)を通じてその概念が定着。
日本では戦後の緊縛文化、風俗、雑誌『奇譚クラブ』などの影響により、独自に発展を遂げた。
現在では、縄、ムチ、手枷、目隠しなどの道具を用いた身体的責めに加え、命令、罵倒、羞恥、制限、従属といった心理的責めも重視される。
SMは「痛み」による苦痛の演出ではなく、あくまで「演出された関係性」や「快楽の揺さぶり」を楽しむ世界であり、双方の同意と信頼関係を前提に成立する。命令ひとつに震え、責める手の表情に従う、そんな主従の戯れの中でこそ、快感の質が深まっていく。
音声作品においては、「ご主人様/奴隷」「女王様/M男」といった関係設定や命令口調の演出、道具音のSEなどが組み合わさり、聴覚から深い没入を誘う。視覚や想像力を補完する演技・声・間(ま)の演出が、実際のプレイと同等かそれ以上のリアリティをもたらすこともある。